徳川家の”三つ葉葵”紋は何をモチーフに… 「ミツバアオイ」って、何科何属?
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「この紋所が目に入らぬか、このお方をどなたと心得る、畏れ多くも先の副将軍、水戸光圀公であらせられるぞ」
テレビや映画でお馴染みの『水戸光圀』に登場する名台詞です。
その紋所というのは”葵の御紋”です。この紋章は「三つ葉葵」をモチーフにしたものです。
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えっ、ミツバアオイ? わが家に今咲いているのはアオイ科ビロードアオイ属の「タチアオイ」(立葵)ですし、京都の葵祭りで使われていたのはウマノスズクサ科カンアオイ属の「フタバアオイ」(双葉葵)です。上の写真はフタバアオイです。しかし、ミツバアオイって植物はほんとにあるんでしょうか。植物関係事典をひもといてみたんですが、何科何属であるのか、その存在を確認できませんでした。
葵紋のデザインの元になったのはフタバアオイです。文字どおり葉っぱが二枚です。京都の上賀茂神社(賀茂別雷神社)や下鴨神社(賀茂御祖神社)などの神紋はまさにこれをモチーフにしたものです。上の画像がそうです。
この二つの神社は賀茂神社と呼ばれることがあります。古代氏族の賀茂氏の氏神を祭祀する神社です。この賀茂氏の末裔には葵紋を使う家が多いそうです。
でもねえ、このままでは徳川家の三葉葵(ミツバアオイ)紋とは結びつきません。何なに、松平氏(徳川氏)は三河国賀茂郡松平郷が発祥?
賀茂郡 ⇒ 松平郷 ⇒ 松平氏 ⇒ 徳川氏。ああ、賀茂神社の氏子であった松平氏は賀茂神社の神紋である葵紋を家紋にしていたということですね。そして、フタバアオイをモチーフにした葵紋からミツバアオイ(三葉葵)の紋にアレンジしたってわけです。
徳川家のルーツである松平家が三葉葵紋を使うようになったとなれば、「この紋所が目に入らぬか」のセリフと結びついてきます。
おっとっと、ちょっと待った! 三葉葵紋といえば葵の葉っぱを巴に配置したものを連想するのですが、巷には似たようなデザインが満ちあふれています。上の家紋は本多立葵(ホンダタチアオイ)紋です。
似たような葵紋が多すぎると「この紋所が目に入らぬか」と言われても、迷ってしまう? いえいえ、徳川の紋所は一目瞭然! 間違うことはございません。
えっ、それは江戸時代ではなくて現在のこと? ああ、『水戸黄門』や『暴れん坊将軍』の影響は大きいですな。
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