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2015年6月18日 (木)

鞆の浦の船着き場にある「雁木」(がんぎ)って何? 雪国の「雁木」との共通点は?

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 鞆の浦(広島県福山市)の港湾沿いに並んでいる石段の見事さに感心していたときです。

「雁木(がんぎ)いうのは何じゃと思うとるんなら」

 いきなり古老に語りかけられたんです。

「そりゃあ、石段のことじゃが。雁のように積み上がっとるけんな」

 わが輩は得々としゃべりました。

「せえでも、改修工事をしとったら、木の杭が出てきたんで。この杭に分厚い板を渡して桟橋にして荷揚げをしとったらしいで」

 古老は木の杭を話題にしたんです。

「新潟の方にも雁木があるじゃろ。あれも、家の前に杭を打って大きな庇(ひさし)にしとるんじゃが」

 ああ、そういえば「木の杭」が共通項です。

 満潮時には高い杭、干潮時には一番低い杭に板を渡せば潮の満ち干に関係なく荷役(にやく)ができます。高低差のある杭が雁が飛ぶような形に見えたんで雁木と呼ばれるようになったらしいです。この杭を石段にして満潮時には最上段、干潮には最下段に板を渡して桟橋にしたというのです。そのうちに船着き場の石段のことを雁木と呼ぶようになったのでしょうか。


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 新潟県上越市高田地区などでも雁木が有名です。通りに面した家々が自分の土地を提供し合って軒先を伸ばし、歩道を兼ねたコミュニケーションの場を作ったのが雁木です。雪が降っても通路が確保できるように母屋につけた庇(ひさし)です。ある程度のスペースが必要ですので、家の前に木の杭を打って庇を作ったのです。当然のことながら、それぞれの家によって通り道の庇(屋根)の高さが違います。不揃いなのです。じぐざぐなその様はまるで雁の群れが飛んでいるように見えたのではないでしょうか。

 なるほど、雁木は木の杭という点で共通項があるんですね。百科事典やWeb.で雁木をひもといてみたんですが、「木の杭」に触れている説明は皆無でした。おとなの勉強の新分野です。


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 おっとっと、港や河川、船着き場の雁木の解釈をまとめておかなくちゃね。

 ええっと、雁木にはいろんな意味解釈があるようです。船着き場の階段のある桟橋、階段状の護岸、船から荷物を積み下ろしできるようにつくられた石段、港・河川・船着き場に作られた石段、荷役階段護岸、雁行形の階段などさまざまです。でも、元々は「木の杭」が原点にあるってことをアタマの隅っこに入れておきたいです。

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コメント

元々は「木の杭」という共通点から、雪除け庇と護岸桟橋などとが繋がり、銘酒は後者の言葉に由来することがよく分かりました。とても勉強になり本当にありがとうございました。終わり。

「木の杭」と云う言葉で、雪除け庇と階段状の護岸・桟橋とが繋がっており、銘酒は後者に由来していることがよくわかりました。とても勉強になり本当にありがとうございました。厚く御礼申し上げます。終わり。

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