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2010年1月29日 (金)

落語は顔のふりで複数人物を演じます! 「右」と「左」のルール 

 落語「寿限無」の冒頭の場面です。

 家に帰った八五郎は上手(かみて)に向かって「おっかー」と声をかけます。噺家は客席に向いていますので、左側の方へ向かって話していることになります。観客から見れば右側に向かって声をかけているので、ああ、帰ってきたんだなあと分かります。

 一方、女房は「はいはい、あら」と、家の中から、つまり上手から下手(しもて)へ向かって声をかけます。

 噺家が顔を「右」と「左」にふることによって、帰ってきた八五郎か迎える女房かが分かりますね。

 落語は、登場人物を一人だけで演じる話芸です。

 どのように演じ分けるのでしょうか。

 その奥義は、顔を左右にふり分けて人物を表現することです。そうすると、複数の人物を演じ分けることができます。

 たったこれだけのことなんですが、実際に稽古(けいこ)をしてみるとむずかしいことこの上なし。

 まだまだ、この続きがあるんです。

「ああ、寝てるか、ほれほれ、れろれろれろ。よく寝てるね-、ま、赤ん坊は寝るのが商売だからな。よーく寝て、どんどん大きくなってくれよ」

「そんなことよりお前さん。今日はこの子が生まれて何日目か、わかってんかい?」

「何?」

「何がってさ、今日で何日目だと思ってんだよ」

「んーと、ちょいと待てよ、えーと、この子が生まれて、ああ、今日で七日目(なぬかめ)だな」

 八五郎が「ああ、寝てるか」と赤ん坊をあやし始める場面は上手に寝ていた赤ん坊へ向かってです。

 女房が「そんなことよりお前さん」と呼びかけるのは、上手の八五郎へ向かってです。つまり、噺家は自分の左側へ顔をふってしゃべります。観客から見れば向かって右の方へ顔をふっていることになります。

 ええっ、ちょっとちょっと。ややこしくなってきました。逆になってますよ。 

Takebe11_2  八五郎が「何?」と反応しますが、このときは下手へ顔を向けます。噺家は自分の右へ顔をふっているのです。(カット写真)

 女房が「何がってさ」というときは顔を上手にふります。

 八五郎が「んーと、ちょいと」と言う場面は顔を下手にふります。

 あれれ、帰って来たときとは逆になってしまいました。

 「寿限無」に登場する八五郎と女房は夫婦です。つまり、八五郎は亭主です。

 落語では、亭主は「上手(かみて)の人物」で、女房は「下手(しもて)の人物」ということになっています。

 上手の人物(八五郎)がほかの人物(女房)へ話しかけるときは、下手(噺家自身の右方向)30度くらいに顔をふります。

 下手の人物(女房)がほかの人物(八五郎)へ話しかけるときは、上手(噺家自身の左方向)30度くらいに顔をふります。

 このようにして、八五郎と女房という二人の登場人物を演じ分けるのです。

 ややこしいですね。

 でも、慣れたらごく自然に演じられるんですよ。不思議ですねえ。

 

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